全ての場所で動き始める―――人、妖たちが...
『年下の彼も結界師』
―――――十二人会に新しいメンバーが加わり
―――――ある人は人皮を復元し
―――――ある家宅には式神が降り立ち
―――――ある場所では新たな人形が出来上がる
―――――私は大事なものを取りにある場所へ向う
会社に長期の休みと連絡を入れ、私はある場所に向った。
「・・・、ちゃん」
「・・・ただいま、お母さん」
驚きの母に挨拶をし、私は自宅へと上がる。
ここは烏森から遠く離れた地にある私の実家だった。
家の本家に当たる家である。
自分の部屋へとは向かわず、奥に隔離されている部屋へと向かう。
「ちゃん」
「・・・・・・」
「ちゃん」
「・・・母さん、あの子連れて行くね」
「ちゃんが封印した子よ?」
「うん、わかってる」
「大丈夫なの?」
「・・・うん」
母をその場に残し、私はひとり奥の部屋へと入る。
薄暗い中進むと真ん中に円陣が見えてきた。
その円陣の中央に佇むように1つの剣がある。
この剣に私はあるものを封印した。
裏会に所属時代、私はある任務で退治に向かった際に出会ったこの子。
滅すはずだった妖だった。
私の攻撃を避け、更に私に傷を負わせた。
そんな中、私はこの子を滅さず封印したのだ。
この子、有名な妖で人をも殺してきたらしい。
狼の亡霊が人を殺し、妖になってしまった。
それがこの子だ。
剣に封印し、眠りに就かせたのがもう5年以上前のことだ。
剣のそばに寄り、目を閉じた。
右手を剣に掲げ、力を注ぎこむようにする。
そして、私はこの子に話しかけた。
「・・・目を覚ましなさい、」
・・・なんだ
「私と共に行かない?」
・・・共にだと?
「えぇ、力も戻る。もう自由にもなれる」
・・・自由か
「私と共に」
ふっ、それも面白そうだな
「私の力になって、助けて頂戴」
良かろう、力を貸そう
スウッと光に包まれ、私の足元にフサッとした感覚が現れる。
「ふふっ、くすぐったいよ。」
『お前だけだ、我に触れられるのは』
「うん」
『力を貸す、我を使え』
「ありがとう・・・行こうか」
『あぁ』
私が歩き出せばも付いてくるように歩みだす。
部屋を出ると母が待っていた。
「ちゃん」
「母さん、心配かけてゴメンね」
「・・・無茶しちゃダメよ」
「うん、行ってきます」
「・・・行ってらっしゃい」
「行こう、」
家を出る。
をつれて。
2度と踏み入れることはないだろうと思っていた。
この子を封印したあの時から。
祖父に反対され、父さんにも反対された。
私は家を出ることでこの子から逃げていたのだ。
共にある、力の共鳴を。
『と我は揃って完全体になるだろう』
前に封印する時に言われたこの言葉。
私はいつかこの子と共に果てるだろう。
その時の言葉なのだと思ってる。
07.04.30